人手不足が深刻化する業界の救世主となるか

介護職のイメージアップを図ることが特定処遇改善加算の背景

特定処遇改善加算で介護業界はどう変わる

介護の担い手を確保するために

創設の背景にあるものとは

創設の背景にあるものとは

そもそも特定処遇改善加算はなぜ創設されることになったのでしょうか。その背景には介護職の給与にまつわる難しい問題があるのです。

介護職の給与は本当に低いのか

日本の全産業の平均年収は約440万円と言われていますが、介護職員の平均年収はここからどのくらいの差があるのでしょうか。厚生労働省が公開している平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、現行の処遇改善加算を取得している事業所の常勤職員の平均給与額(月)は293,450円で、年収は352万1,400円となり他産業と比べて90万円近い差があることがわかります。
また、これを勤続年数別に見てみると1年目の年収は約310万円、3年目の年収は330万円、10年以上のベテランでも年収約390万円と、長く働いても440万円には届いていないのです。なかなか給与がアップしない原因は、介護職の給与の出所にあります。

「儲け」を考えたサービスではない

介護施設などの事業者は介護サービスを提供することによって介護報酬を支給され、これを元に各職員へ給与を支払います。つまり、事業者は受け取ることができる介護報酬が増えなければ職員の給与も上げることができないのです。
しかし、介護報酬は介護保険が適用されるサービスの公的価格として国に定められているので、勝手に単価を上げたりすることができないのはもちろん、国全体としての変更もそう簡単には行われません。介護報酬はその1割から3割を利用者が負担することになるので、介護を必要としている人やその家族の経済的負担を増やすような政策を安易に行うわけにはいかないのです。
一般的な産業では、物やサービスを作りそれを提供することによって利用者が対価を払い、その対価は企業側がある程度自由に設定できることが多いと思いますので、様々な工夫によって企業としての収入を増やし、職員へ還元していくこともできるはずです。しかし、介護業界ではこのようにはいきません。これが介護職員の給与がなかなか上がらない大きな理由なのです。

人材の確保が急務

そんな中、少子高齢化によって介護に携わる人材は今後ますます不足していくと予想されています。内閣府が発表している平成30年度版の高齢社会白書では、現時点で日本国内の65歳以上の人口は全体の27.7パーセントを占めているとされています。高齢者の割合は今後さらに増加していくと見込まれており、全体の人口が減っていくなかで平成77年には約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人が75歳以上になると推測されているのです。
このまま利用者がどんどん増えていくのに対して担い手が増えなければ、介護業界は立ち行かなくなってしまいます。今回の特定処遇改善加算は、この状況を打破するため介護職員の処遇を改善し、介護業界の担い手をどうにか確保しようという狙いがあるのです。

介護職の処遇改善に興味のある方へ

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    長く働き続けるためには、給与を含め様々な条件に納得できる職場を選ぶことが肝心です。1人の力で情報を集めて判断するには限界がありますので、転職のプロであるエージェント「レバウェル介護」の利用をおすすめします。

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    介護職の給与は長く働くだけではなかなか上がりませんが、自分の評価を上げることによって特定処遇改善加算の支給額が増えたり、手当がつくことが期待できます。職場自体を見直したり、資格を取得するなど自ら動き出してみましょう。

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    全員が納得するような仕組みを作ることは難しいですが、特定処遇改善加算の運用に関しても様々な立場から違った意見が上がっています。今後改善していかなければならないポイントを想像しながら見てみましょう。

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